「御上先生」最終回まで視聴!

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今までに見た学園ドラマとは一線を画す!?

これまでの学園ドラマといえば、クラスの問題児が抱えている悩みを先生が解決していく、という展開が定番でした。

たとえば『GTO』や『ごくせん』、『最高の教師 私は1年後生徒に■された』などは、まさにその王道パターン。しかし、『御上先生』は一味違いました。

物語は、文部科学省の官僚が同僚との争いに敗れ、県トップの進学校「隣徳学院」に派遣されて高校3年生の担任を務める、という斬新な設定から始まります。

舞台となる隣徳学院は、全国屈指の進学校。高校3年生にとって大切な受験期に、信頼していた担任が突然副担任に降格し、見知らぬ官僚が担任としてやってくることに、生徒たちは強く反発します。そんな彼らに、御上は「君たちはただの上級国民予備軍だ」と言い放つのです。

さらに、真山弓弦が引き起こした殺人事件をはじめ、教員同士の不倫、隣徳学院と文科省の癒着、裏口入学といった不正が次々に明るみに。学園ドラマでありながら、まるで政治ドラマを見ているような重厚感があり、まさに日曜劇場らしい展開でした。

フォーカスの当たっていない生徒が気になる!

物語の中心となったのは、神崎、富永、次元の3人。

神崎は報道部の部長で、周囲から一目置かれる存在。富永は神崎の幼なじみで空気を読むムードメーカー。次元はAIやデータ解析に強く、富永には頼られ、神崎にはあしらわれる立ち位置でした。

そのほかにも教科書回では東雲、ビジコン回では冬木、徳守、宮澤の3人、生理・介護回では椎葉、最終回では千木良にフォーカスがあたりました。

最初に御上に強く反発していたのに最後は御上の言葉で涙を流していた櫻井、何かと発言してこの人頭いいんだろうな~と思わされた和久井や、帰国子女の倉吉など数人の個性は見えました。

しかし、クラスの半分以上はほとんど描かれないままドラマが終わってしまったのが少し残念です。

TikTokの『御上先生』公式アカウントでは「#御上先生には内緒」というタグで生徒たちの意外な一面が紹介されていますが、もう少しドラマの中でもそれぞれの個性を掘り下げてほしかったなと思います。

個人的には、波多野くんがメガネを外してコンタクトで登場した回が最高でした!

物語を通して私が受け取ったメッセージ

『御上先生』が描いたのは、単に不正を暴くことがゴールではない、ということ。

たとえば、教員同士の不倫をスクープした神崎。しかし、その真実は単純なものではなく、冴島先生が戸倉くんをかばった結果、脅迫されて性被害に遭っていたという重い背景がありました。このスクープが真山弓弦の事件の引き金にもなったのです。

また、裏口入学で隣徳学院に入学した千木良は、その後必死に勉強し、クラスでも平均以上の成績を取るまでになりました。しかし、裏口入学という事実にずっと負い目を感じ、悩み続けます。父の政治家生命や家族を思い葛藤しながらも、最終的には「報道とは何かだけを考えて」と神崎に真実を託しました。

今回のドラマを通して、一人ひとりが抱える悩みは決して他人事ではなく、世界と深くつながっていることを感じました。まさに「パーソナル・イズ・ポリティカル(個人的なことは政治的なこと)」という概念を考えさせられる内容でした。

そして、一つの物事に対して、何が正しくて何が間違っているのかは人によって答えが異なりますが、だからこそ考え続けることが大切なのだと、このドラマが伝えたかったのではないかと思います。

御上は兄のことに向き合う背中を見せ、生徒たちに自ら考え、向き合う姿勢を促していたのではないでしょうか。知識を詰め込むだけが教育ではない、という強い思いを感じました。

最終回では、御上が学校に残ることが示唆されていたので、もし続編があるならば、新たなクラスを受け持つ御上先生や、卒業後の生徒たちの姿をぜひ見てみたいです!

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